Ginger and Petunia 華麗なる社交界にデビューした ブタのペチュニア

 「装いは個性」を信条とするピアノの大家ジンジャーは、ブタのペチュニアを寵愛している。ある日、ロンドンで開かれる国際ピアニスト会議に招待され、喜び勇んで出かけて行った。ところが、頼んだはずのお手伝いさんはキャンセルされ、なんとペチュニア一匹がお屋敷に取り残されることに。こうして、華麗で愉快なペチュニアの独居生活が始まるのだった。
 ワニはワニ、ゾウにはゾウのキャラクターがあるように、ブタにもそれだけでご愛嬌の生まれる個性がある。絵本『Ginger and Petunia』では、華やかな欧風エレガンスを好むピアノの先生ジンジャーを真似て社交界デビューを果たしたブタのペチュニア嬢が、喜劇の味わいたっぷりに描かれる。上品を装ったとしても「お下品」になってしまい、「どろんこ」が恋しくて恋しくて仕方のない本能が、逆に人々に受け入れられ人気を博していく過程が爆笑だった。娘といっしょに、ひゃっひゃっと笑ってしまう。
 優雅なヨーロッパ風文化とペチュニアの無邪気さが絶妙な語りで融合され、キュートで個性的なお話が生まれたと思う。ピアノとお洒落とブタさんの好きな人に。(asukab)
amazon:Patricia Polacco

  • 最近のポラッコ作品*1,*2はコメディ路線

Ginger and Petunia

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