MIDSUMMER KNIGHT 真夏の夜の敵

 『Boy, The Bear, The Baron, The Bard (New York Times Best Illustrated Books (Awards))*1テムズ川を下っていったベアが、『Midsummer Knight』では魔法の森に迷い込む。蜂の大群に追いかけられ逃げ惑ううちに、いつの間にか蜂のお城に入り込み……。
 作者同様、わたしもシェイクスピアの「真夏の夜の夢」が大好きで、ラブコメディの中では一番のお気に入りになる。なので、あの芳しき夜(night)を想像して絵本を開いたら、こちらは騎士のナイト(knight)によるファイト(fight)でお話の筋はまったく関係がなく……、ちょっと拍子抜けしてしまった。恋愛喜劇の香りは皆無。ベアが悪しき重臣と戦って蜂の女王夫妻を救い出し、最後にはナイトの称号を受け取るという、なんというか、小さな男の子の無邪気な空想物語みたいな展開だった。
 このベアはこれからもシェイクスピアの旅を続けるだろうから、次作に期待しよう。(asukab)
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  • 虫の妖精たちが非常にコミカル

Midsummer Knight

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