Hickory Dickory Dock いっちく、たっちく、おうやおや
英国の童謡マザーグースの中でも息子がお気に入りだった、"Hickory dickory Dock"。これを地元絵本作家キース・ベイカーが可愛らしいおやすみ絵本に仕立てたのが『Hickory Dickory Dock』だ。オリジナルのねずみさんの歌を夜中の12時まで膨らませ、動物たちによる楽しい時計の遊び歌ができあがった。
Hickory dickory dock
The mouse ran up the clock
The clock struck one
オリジナルではこの後、
The mouse ran down
Hickory dickory dock
が続いて終わるのだけれど、ここでねずみさんは時計から降りず、いろいろな動物たちが順番に時計の周りにやってきて遊び出す。おやすみ絵本なので、眠りに誘う最後のテンポが秀逸。満月の光に満たされた「おやすみなさい」のねずみさんが、ぽちっと愛らしい。
ところで、この作品の北原白秋訳(『まざあ・ぐうす (角川文庫 緑 120-4)』より)がすてきなのだ。的確に子どもの世界を読みとった感性に脱帽だった。
「一時」
いっちく、たっちく、おうやおや。
ねずみが時計をかけあがる。
柱時計がチーンとうつ。
ねずみがすたこらかけおりる。
いっちく、たっちく、おうやおや。
イラストはてっきり色版画なのかと思っていたら、フォトショップで描いたコンピュータ・グラフィックなのだそう。ぜんぜんそんな風に見えなくて、びっくりした。はっきりとした色合いがわかりやすく、小さな子どもたちに受けると思う。(asukab)
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