The Growing Story 子どもの成長をたたえる絵本
今風に言えば、英米大御所の「コラボ絵本」ということになるのかな。『The Growing Story』を見て、クラウス(1901-1993年)×オクセンバリーという組み合わせに胸が弾んだ。
子どもの成長を賛歌する絵本の舞台は広い農場。待ち焦がれた春を迎え、お母さんといっしょに自然の恵みに埋もれる男の子の姿が愛らしい。蒔いたトウモロコシはぐんぐん育ち、木々は実をつけ変化していくのに、自分だけ何も変わらない――小さな心の小さな心配は豊かな農場風景を背景にすると愛しく映る。大丈夫、四季の巡りとともに、みんな成長しているよ。
画家の描く大きな風景に、自然のすばらしさがあらためて実感できた。ジーンズはいて赤い水玉スカーフを巻き、ベルト付きカーディガンを羽織る若いお母さんがかっこいい。古きよき時代の語りかけが、ほんのりモダンな色付けでよみがえったかな。
子どもと自然とお母さん――不滅の三位一体関係がおおらかに謳われた絵本。(asukab)
amazon:Ruth Krauss
amazon:Helen Oxenbury
- 柔らかな水彩で描く自然にうっとり
- 作者: Ruth Krauss,Helen Oxenbury
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログ (1件) を見る