ブックレポート/ブックフェア雑感

 小学3年生のクラスで人気の読み物と言えば、まずハリー・ポッターシリーズ(最終巻『Harry Potter and the Deathly Hallows (Harry Potter 7)(US)』)が挙がる。ブックレポートのタイトルを見ていると、必ず数人の生徒が巻は違えど取り上げている。マジック・ツリー・ハウス(最新刊『Magic Tree House』)も低学年の子どもたちには定番中の定番で、3年生にはやさしいレベルかもしれないが、よく読まれているシリーズだろう。
 しかし、娘はクラスの主流を行くどちらのシリーズにも興味を示さず、「みんな知っているお話だし、読んでみようよ!」と声をかけても「う……ん、あんまり好きじゃない」の返答。頼みのボックスカー・チルドレン(最新刊『The Box That Watch Found (Boxcar Children Mysteries)』)にも気乗りしないつぶやきが返ってくるので、わたしは彼女にとって宝石のようにキラリと光る魅力を持つ本*1の発掘に奔走だ。これはこれで楽しい作業なのだが、先日のブックフェアを見て、新刊から探し出すのは結構大変ではないかと実感せずにはいられなかった。
 プレ・ティーンの女の子向けシリーズは、片っ端からコマーシャリズムに走る傾向がある。ハイスクール・ミュージカル然り、ハナ・モンタナ然り。シリーズ読み物も、何かこう、売れ筋・受け狙いが一目でわかるバービー風の女の子が主人公のイラストイメージだったりで、米国マーケット本の現状を突きつけられた。内容は同じでも、目にするイメージがもっと素朴なものだったら、きっと感じ方は違うのに。読者対象をテレビやゲームが大好きで、お買い物大好きのマテリアリズムっ子に設定しなくてもいいのにな、というのが本音である。こんな状況ゆえに自分の場合、映像メディアから多少遠ざかる英国本に魅せられる傾向があるのかもしれない。
 シリーズ本はいったん気に入ると与えておくだけでどんどん読み進めてくれるので、親としては大いに利用したい分野だ。娘の場合、妖精シリーズ(米国の最新刊『Sophie the Sapphire Fairy (Rainbow Magic)』)は、学年が進んでもずっと大切にしそう。これはリーディングレベルがどうの、というよりも、独自のファンタジーに浸る本なので、わたしとしてはもうしばらく夢見ていて欲しいなと願う。シリーズ数が多いことを理由に、ミステリー熱を再燃させ、ナンシー・ドルーに夢中になるのもいいかなと言うもくろみも。
 ぴったりのシリーズが、クレメンタイン(春刊行予定『Clementine's Letter (A Clementine Book)』)以外にないものか……と、今日も読み物探しの旅は続く。最近いいなと思ったのが、レベルは少し上になるがエミリー・ウィンズナップシリーズ(最新刊『Emily Windsnap and the Castle in the Mist: Book 3』)。やはり英国本だった。来年のハロウィン・コスチュームはこれ!と思っちゃったけど、人魚は難しいかなー。

  • 今一番お気に入りのシリーズは、クレメンタイン。同じ3年生です

Clementine's Letter (A Clementine Book)

Clementine's Letter (A Clementine Book)