The Great Doughnut Parade ドーナッツの誘惑

 突然、無性に食べたくなるもの――。ドーナッツは必ずその一つに入ります。特に最初の一口が格別で、うっすらと砂糖衣のかかった儚い甘さに胸躍らせながら、パクリと一口かじりたくなるのです。娘といっしょに『Great Doughnut Parade』を読み、ここにはそんなドーナッツの特権的魅力が描かれていると思いました。
 少年ビリーが腰にぶら下げたトーナッツ1個がきっかけで、みんなが連鎖的に大行列。でもそんなお祭り騒ぎはお構いなしに、ドーナッツはあくまでも甘く魅惑的で、ビリーに幸せと夢を与えてくれました。
 ドーナッツを食べる日は、この絵本で決まりです。
 イラストはいつもの質感があまり感じられず、割とあっさりした水彩に仕上がっています。でも、躍動感のある楽しい描写は、間接的ではあるにせよ、ドーナッツの魅力をたっぷりと語ってくれます。(asukab)
amazon:Rebecca Bond

  • ドーナッツを食べるビリーの姿がすてき

Great Doughnut Parade

Great Doughnut Parade