Ballerina Dreams 天使のバレリーナ

クリスマスの5日目

 どんなに険しい道でも、あなたたちの夢が実現しますように――。『Ballerina Dreams: A True Story』で被写体になった5人のバレリーナたちは、夢にまで見たチュチュを履き、ティアラを被り、ふわふわフリルを付けたレオタードを身にまとい舞台に立った。脳性麻痺で肢体に不自由をきたすアビー(4歳)、モニカ(5歳)、二コル(3歳)、シェキーナ(5歳)、ヴェロニカ(7歳)の5人は、「くるみ割り人形金平糖の精)」「白鳥の湖」「星に願いを」の音楽に乗り、補助のお姉さんたちの手を借りて嬉しそうに体を動かし始める。この日まで頑張り続けた療法の成果を、家族や友だち、みんなの前で発表するのだ。
 「できないことじゃなくて、できることに焦点を置くことが大事」と話す理学療法士ジョアン先生の気持ちがバレリーナたちを励まし続けた。彼女たちの笑顔の無邪気で美しいことといったらない。ギブスをはめ真剣に舞う姿は、瞬く間に誰の心も完璧につかんで離さない。彼女たちの被ったティアラと一緒に、両親ら観客の目から光るものが零れ落ちた。読んでいる方も、涙ぽろぽろ。
 絵本を通しての鑑賞だったけれど、「すてきなパフォーマンスをどうもありがとう」と心を込めて伝えたい。作者が残した冒頭の献辞とともに。(asukab)
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  • 2007年度ジョアン先生のバレエ教室発表会を伝えるドキュメンタリー絵本。ベビーピンクを基調にしたデザインがバレリーナたちにぴったり!

Ballerina Dreams: A True Story

Ballerina Dreams: A True Story