Henry's Freedom Box: A True Story from the Underground Railroad 奴隷解放地下組織アンダーグラウンド・レールロードの実話を語る絵本――キング牧師記念日を前に

 来週月曜日のキング牧師記念日を前に、今週は同牧師の働きを再度確認する授業が多いようだ。友だちの誕生プレゼントを買いに本屋さんに出かけ、娘は自分用にとキング牧師のノンフィクション写真絵本を購入した。帰ってきてから真剣に読んでいるので、ならば公民権運動にもつながった草の根の奴隷解放運動を学ぼうではないの――と『Henry's Freedom Box』をいっしょに読んだ。
 ヴァージニア州リッチモンドからペンシルベニア州フィラデルフィアへ。1849年3月、自らを木箱に詰め込み郵送物となり奴隷制のない北部へ逃亡したヘンリー"ボックス"ブラウンのエピソードは、当時も新聞で伝えられ有名だったようだ。絵本では、彼の生い立ちから、結婚、家族の離散を経て、奴隷解放地下組織の力を借りて逃亡するまでの全過程が描かれる。
 子どもの視点を見据えた語りが見事である。具体的で詩的で心にぐっと突きつけられるパンチ力があり、加えてネルソンのイラスト*1もいつもながら迫力満点。少年ヘンリーの表情が魅力的だ。
 歴史を伝承するあらたな名作がまた生まれた。そんな感想を抱いた。(asukab)
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  • 子どもはタイトルにも引かれると思う

Henry's Freedom Box

Henry's Freedom Box