Not a Stick ぼう・じゃ・ない

 『Not a Box』(邦訳『はこははこ?』)*1から一年後、今度は棒を見立て遊びに使うブタさんの絵本が出ました。その名も『Not a Stick』。箱の素材感に「赤」を効かせた一冊目の雰囲気をそのままに、二冊目は棒=木の温もりと「青」を生かしています。
 子どもは箱が大好きですが、棒も大好き。作者は子どもの嗜好をここでもうまく取り入れました。外に出て気が付けば、いつも棒を手にしている子どもたち。息子、娘の通ったプレスクールでは、棒は「危ない物」に指定されていて――怪我をして訴訟でも起こされたら大変なので――棒を持った子どもを見ると「ノー・スティック!」と大人が注意していました。(うちの子の通ったプレスクールだけかと思っていたら、わりとどこでも、そうらしい。)でも、森に散策に出かけると、やっぱりすぐ手にしているのは木の小枝=棒。いろいろ遊べちゃうからね。
 棒=何になるでしょう? 剣、お馬……このあたりは想像がつきました。でも、絵本では棒がもっともっといろいろなものに見立てられています。イマジネーション花盛り! 特に男の子向けの絵本という印象を受けました。魔法の杖もあれば、女の子向きでもあったかな。
 とにかくシリーズ2冊目でも、かわいく楽しい冒険が繰り広げられています。邦訳は同じ語呂で「ぼう は ぼう」となるのでしょう。作者が来月9日、当地に立ち寄るとのことなので、さっそく書店に足を運ぼうと思います。(asukab)
amazon:Antoinette Portis

  • 見立て遊びは、イマジネーションの宝庫

Not a Stick

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