Toy Boat 季節はずれの絵本レビュー おもちゃのふねのたび

 少年が空き缶とコルク、布切れで作ったおもちゃの船。ある日、浜辺で遊んでいたら波にさらわれてしまった。どんどん沖へと流されて、小船は大海で冒険を重ねることになる。大きな船、レースをするヨットの群れ……先々で出会う船にはみな表情があり、気取り屋だったり意地悪だったりさまざまだ。最後に心優しい漁船にも出会い……。
 『The Toy Boat』は、きっと小さな子どもの心に深く入り込む。とっかーんと何もない夏空の下で読みたい船のお話で、大寒を迎える時期とはかけ離れているけれど、夏の潮風を恋しむならぴったりの風情ではないか。子ども時代の、砂浜を思い出したりね。
 冬日に包まれ、夏を焦がれる絵本になった。画家の描く海と空がいい。絶対、おもちゃの船を作りたくなる絵本。
 昨年の夏は本当に忙しくて、レビューの書けない絵本がたくさんあった……あらためて反省。(asukab)
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  • 船のコミカルな表情は、キャラクター物の影響か

The Toy Boat

The Toy Boat