Maybe A Bear Ate It! 幼児心理を描くほほえましい絵本

 子どもが成長すると幼児向けの絵本にはなかなか手が伸びなくなってしまうのだけれど、それにも拘らず『Maybe a Bear Ate It!』はすごくよかった。なぜだろう。お気に入りの本を無くしてしまい、ああだ、こうだと想像を巡らせるシマシマ小猫の姿に何かしら共感できる要素が含まれているからだろうか。
 「クマがたべちゃったのかも!」「ステゴザウルスがふんずけちゃったのかも!」「サイがつのでつきさしていっちゃったのかも!」――。無くした本を思い描きながら、心に過ぎる心配はむくむくと膨らんでいくばかり。自分にもあるある、こういう状況。
 イラストがとびきり魅力的。表情が茶目っ気たっぷりで、子どもならずとも大人だって夢中にさせられるよ、これは。最後が、どうなるのか……。
 幼児心理は人間の根底に棲む心理でもあり、そこが上手く描かれたかわいい絵本。(asukab)
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Maybe a Bear Ate It!

Maybe a Bear Ate It!