Tip Tip Dig Dig はたらく自動車のお仕事は……

　『Tip Tip Dig Dig』は一見、「男の子の好きそうな働く自動車の絵本」と理解したが、全然そうじゃなかった。心和むすてきなメッセージを伝えてくれる理由は、最後のページ。ここが、普通の自動車絵本と一線を画している。
　ごみ山の一角を見て、働く自動車がさっそうと登場、持ち上げたり、押したり、掘ったり、きょろんとした目の付いた大型車は忙しい。繰り返し3回、仕事の内容を見せてくれるところなど、すごく読者思い。子どもは何度も見たがるし、確認をして喜びたがる。個人的にも3回の儀式が結構好きだなあ。3回練習する、3回見直す……などと子どもに話している。
　音にリズム感があり、大胆な筆運びの絵の具が元気いっぱいに力仕事を演出する。
　そしてやはり最後のページである。こんなにすてきな場所を作るために働いていたのね。花の香りが漂い、小鳥の歌声が聴こえてくる。男の子とか女の子とか、小さな子どもとか……そういうことは関係無しに手元に置いておきたいなと思った絵本。(asukab)
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Tip Tip Dig Dig