Library Mouse としょかんねずみサム

 『Library Mouse #1』は、図書館司書や小学校の先生が泣いて喜びそうな絵本です。図書館に住む小さなねずみサムが主人公。
 サムは本が大好き。静まりかえった夜の図書館で、絵本や読み物、伝記、詩、お料理本、スポーツの本、おとぎ話、会談、ミステリー……本を開いては空想の世界に旅をして遊びました。そんなサムが今度は自分で本を書いてみようと思い立ちます。自分を紹介する伝記「チュー! ねずみのくらし」に始まって、絵本「ひとりぼっちのチーズ」、本格ミステリー「ねずみやしきのひみつ」……。そのたびにサムは著作を図書館の書架に残し、子どもたちの間で評判になっていきます。ついに図書館司書の先生がサムに手紙を書きました。「ぜひ、お会いしたいのです」――。ねずみは人間が苦手です。困ったサムは、名案を思いつきました!
 しっかりと塗りこまれたイラストが、サムの読書三昧な作家生活を丁寧に描き、好感が持てます。サムの心は子どもの心の投影と言え、間違いなく共感の嵐が吹き荒れそう。背景に出てくる本のタイトルにも注目です。
 教育効果の高いすてきなエンディングに、やはり先生たちが感激するお話です。ちょっと説明っぽいイラストもあるけれど、子どもはこういう絵本が好きですね。(asukab)
amazon:Daniel Kirk

  • 昨秋、画家が当地を訪れたのですが、出かけられませんでした。お会いして、お話誕生のいきさつを伺いたかったなあ

Library Mouse #1

Library Mouse #1