Purplicious ピンクが大好きな女の子のお話

 『Pinkalicious』に続く2冊目『Purplicious (Pinkalicious)』。ピンク色が大好きなのに、友だちはみな「ピンクなんて、赤ちゃんの色!」と執拗にからかってくる。すっかり落ち込んでしまったけれど、ある日、自分と同じようにピンク色の絵の具をキャンバスに塗る女の子に出会った……。
 絵本のイラストと会話に好意を抱かない書評があった。ピンクより黒がかっこいいと主張する女の子たちの意地悪ぶりと、いでたちである。パンクロッカーのような黒装束で、みんな隠顕そうな顔つきをしているのだ。そのような偏見で描いたことをまず問いかけたけれど、書評での不満は「こういういじめの場面は、子どもに見せたくない」という声だった。親心として、確かにそうかもしれないな。
 本日、主人のほうの小学校で、女の子たちのいじめ集団を懸念するお母さんに出会った。表面では見えないけれど、水面下で人種や民族を差別するいじめ行為が起きているというのだ。いじめる当事者たちは実は、みな弱者ばかり。読み・書き・算数で1、2学年の遅れがあり、特別指導を受けている女の子たちだった。シングルファミリーで、家庭学習への援助はいっさいなしという環境。そういう自分の弱さを、学年下の子どもたちにぶつけている。そんな構図が浮かんだ。
 米国の公教育は、どう考えても救われない。家庭崩壊は、どう見ても教育で償えないもの。楽観主義で希望への妄想を抱くけれど、事実は事実。ただ、このまま何も行動しないことは自分の理念に反するので、闘い続けていくしかないこともわかっている。
 ピンクちゃんのお話を読み、今日一日のできごとが思い起こされた。(asukab)

Purplicious (Pinkalicious)

Purplicious (Pinkalicious)