うさぎの だいじな みつけもの

 柔らかな春の日差しに包まれて、うさぎはふと友だちが欲しくなりました。「イースターには うさぎがいっぱい」と言うふくろうの言葉を聞き――「イースターってなんだろう、いったいどこにあるんだろう」と、ひとり、探しに出かけます。
 森の描写は、春そのもの。ヒナギク野原の風景には、花の香りが渡るのどかさが描かれます。でも、ここも、あそこも、イースターじゃない……。夏が過ぎ、秋を迎え、雪の中も負けずに歩き続けた後、遂にすてきな出会いが訪れました。それはイースターの発見と重なる素晴らしい喜びでした。
 絵本『うさぎのだいじなみつけもの』を手にしたときは、わたしも「イースターとは何か」の答えを求めていたのですが、読み進めるうちに森の自然、野原の心地よさに魅せられ、閉ざされた冬を越した後には……、うさぎと同じ気持ちが体験できました。
 春のお祝いにぴったりの絵本は、子うさぎちゃんがたくさん出てくることから、結婚のお祝いにも相応しいかもしれません。自然の情景が詰まったイラストを目にするだけでも、心が弾みます。
 でも、宗教的なイースターを伝える絵本ではありません。(asukab)
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うさぎのだいじなみつけもの

うさぎのだいじなみつけもの