Goose and Duck ともだちはグースとあひる

 リーディングレベル2『Goose and Duck (I Can Read Level 2)』を読んだ。現実的で、ときにファンタジー的で、子どもの興味をそらさず最後まで語る手法が巧みだと思った。日常でありながら同時に夢も与えてくれる、普通だけど子どもを引き込むお話。
 卵からかえったグースとあひるのお母さん役になる男の子が主人公。ひな鳥と遊ぶ場面は、かなり読者を魅了しそう。「うちにも、ひよこが欲しい〜」。仲良く遊んでいたのはよかったけれど、ある晩、グースとあひるは本当のお母さんが恋しくなり、家から抜け出してしまう。お隣りのおばさんが言うには「グースとあひるは、おまわりさんにつれられていったわよ」――。ここは、心配しながら事件を見守る読者の顔が目に浮かんできそうな場面。さあ、男の子はどうするか。
 春から夏、秋にかけての四季感も描かれ、優しい気持ちになれる初級読本。半ばに少し停滞するが、最後がよかった。書けそうでなかなか書けない文章が、初級読本の分野ではないか。(asukab)
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Goose and Duck (I Can Read Level 2)

Goose and Duck (I Can Read Level 2)