Sally and the Purple Socks サリーとむらさきのくつした

 娘と本屋さんへ。例によって友だちの誕生プレゼント探しです。『Sally and the Purple Socks』を読んで娘と大受けしました。ちょっと評判の絵本でしたが、あまり期待せずページを開いて、わっはっはーと大笑い。娘がこれをプレゼントにしたいと言い出して、いつもにも増して悩むことになりました。
 お話の内容は……注文していた紫の靴下が届き、あひるのサリーはゴキゲンです。ちょっと小さくないかしらと心配しましたが、はいてみたらなぜかぴったり。ところがこの靴下は、時間がたつにつれてどんどん大きくなっていく魔法の靴下でした。どうりで。だって入っていた箱には「×(エクストラ)×(エクストラ)×(エクストラ)×(エクストラ)L」と記されていて、だったらどうしてこんなに小さいのだろうと娘と笑っていたのです。その理由はページをめくるごと、笑いとともに説明されます。どんどん大きくなる紫の靴下は、マフラーになったり、カーテンになったり……。いやいやこれは、絵を見てみないとわからない可笑しさかもしれません。
 思い出したのはクラリネットの音色を聴いてどんどん大きくなっていく猫のお話『ネコとクラリネットふき (おはなし広場)』でした。両作品ともにまったくのファンタジーですが、不思議と納得できてしまう。ユーモアが土台にあるからでしょうか。最後は異なる結末ですが、どちらにも心地よい余韻が残ります。
 サリーのキョトンとした表情を見るだけで笑いがこみ上げてきて、娘は大喜び。紫色が好きなので、それもよかったのでしょう。愉快な土曜日の午後になりました。(asukab)
amazon:Lisze Bechtold

Sally and the Purple Socks

Sally and the Purple Socks