ちいさなヒッポ

 生きるスキルを子どもに伝えるお母さんカバと懸命に学ぼうとするヒッポ。『ちいさなヒッポ (世界の絵本)』に描かれるカバ母子の姿は、幼児の自立を助ける絵本として長きにわたり愛読されてきました。
 今あらためてヒッポの冒険を振り返ってみると……、これは子どもから大人への移行期に体験する生きるか死ぬかの壮絶な学びだったのだ気づかされ、やんわり胸が締め付けられます。
 動物の自立は、早く済んでしまってうらやましい。人間は大人になるまで、どうしてこんなに時間がかかるのでしょう。ヒッポの発した「グァオ!」のように、子どもたちの意思も窮地を切り開いていけるでしょうか。
 思春期を迎えている息子を見て、自分はカバ母さんになれるのか――いろいろ思いを巡らせました。(asukab)

ちいさなヒッポ (世界の絵本)

ちいさなヒッポ (世界の絵本)