Colonial Voices: Hear them Speak

 ボストン・ティー・パーティ事件――英国議会による東インド会社の茶税を課された植民者たちが、船中の茶を海に投げ捨てた事件。『Colonial Voices: Hear Them Speak』では1773年12月16日の事件当夜に向けて、早朝からボストンの人々がどんな時間を過ごしていたかを職業別に追っていく。孤児の新聞少年が新聞を配る朝5時30分に始まり、印刷屋、パン屋、教師、靴屋、精米屋……が新聞を読み、自らの立場を説明しながら事件を迎える。 
 個の視点から活写する手法は、何となくニューベリー賞受賞『Good Masters! Sweet Ladies!: Voices from a Medieval Village (Where's Waldo?)*1の影響が無きにしもあらず。先日の『Lady Liberty: A Biography*2もそうだった。臨場感が出るので今後、歴史ノンフィクションもののトレンドになるというところか。本作品に限れば「詩」という表現手段が、情感を盛り上げるのに一役買っていた。(asukab)
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Colonial Voices: Hear Them Speak

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