おおきな なみ――ブルックリン物語
『おおきな なみ―ブルックリン物語』は、絵本画家バーバラ・クーニー実母の少女時代を描いた絵本です。ドイツから移民し事業に成功して裕福に暮らす一家の姿が描かれます。地名がたくさん出てくることから当時のニューヨークの発展ぶりが伺え、歴史的資料としての価値もあるかもしれません。上流階級の生活ぶりを垣間見ることができ、回顧しながら黄金時代の思い出に浸るおばちゃまたちもたくさんいらっしゃるのでしょうね。好きな絵の道に進むお母さまの姿が美しかったです。
しかしながら、こうやって眺めると、やはり芸術はブルジョアの産物なのだとあらためて思い知らされました。社会経済的な「くくり」を意識せず、絵と対峙することができるのか。これは自分への挑戦でもあるでしょう。
ちなみに9月初旬、MLBヤンキースが当地にやってくるということで、ニューヨークとシアトルを比較するコマーシャルが流れていました。覚えているところでは……:
―― | ニューヨーク | シアトル |
景色 | マンハッタンの摩天楼 | レニア山の自然 |
ネイチャーライフ | はと | かもめ |
露店 | ホットドッグ・スタンド | エスプレッソ・スタンド |
お金持ち | ドナルド・トランプ | ビル・ゲイツ |
うーん、やはり自分にはシアトルのほうが何倍も向いています。まず最初に、ダウンタウンからほんの10分のところでアウトドアが満喫できるか否か。この点では、海と山と森に囲まれた緑の街だからこそ幸せなのだと実感です。ちなみにシアトル市が2006年に発表した街のスローガンは、"Metronatural"だそう。都市でありながら自然にも囲まれているといった、自然都市みたいな意味合いでしょうか。エコの視点からも全米一グリーンな街(……と何かで読んだのですが……)に在住でき感謝です。
邦訳の書影がないので、英語ペーパーバックで。(asukab)
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