Yoko Writes Her Name 異文化間コミュニケーションの絵本

 『Yoko Writes Her Name (A Yoko Book)』は、異文化間コミュニケーションを主題に描いた絵本『Yoko』のシリーズ最新絵本。たまたま、というか作者の好みなのか、ねこのようこちゃんは日本人の設定になっています。かんたんな読み物シリーズでは、かなりの数が出版されていてびっくり。異文化理解に利用されていることを願わずにはいられません。
 さて新しいこちらの一冊も、なかなか魅力的。日本語のことばや書き方を幼稚園のお友だちに教えてあげようとするようこちゃんが愛しくなってきます。見開きに「いぬ」「こま」「カップ」「ぼうし」「なべ」「て」「ねこ」……と毛筆で書かれた単語が紹介され、低学年の日本語クラスで引っ張りだこになりそうな内容です。
 確かに外国の文字は、クラスメイトのオリーブやシルビアが形容するように「ただの落書き」に見えるかもしれません。でも、違う国の言葉を知っているって、すごく豊かでかっこいい! そんな異文化への敬意から相互理解が深まります。
 うちの小学校ではアフリカ系に続き、アラブ系の子どもたちがどんどん増えています。今日、一人の女の子の書き方、つまり、右から左に書いていく流れを見て文化の違いを垣間見た気がしました。アラブではカリグラフィーが伝統文化になっているのですね。この国で生きていく限り、英語は必須です。でも、自国文化も忘れることなく、体温といっしょに感じ、同時に大事にして欲しいと願いました。(asukab)
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Yoko Writes Her Name (A Yoko Book)

Yoko Writes Her Name (A Yoko Book)