Dinosaur vs. Bedtime きょうりゅうくんVSおやすみなさい

 デフォルメをきかせた落書き風のきょうりゅうくんが、「ガオー、ガオー、ガオー!」――。威勢のいいおたけびからして、元気な男の子に見たてていることがすぐにわかります。「ガオー! ぼくは、きょうりゅう。ぼくに かなうものなんて なにもないよ!」。では、実力のほどを拝見。落ち葉の山だって、すべり台だって、やまもりスパゲティだって、勝負はみんなぼくの勝ち。でも、手ごわい相手が最後に待っているんだよね。「ガオー、ガオー、ガオー!」――どれだけがんばってみても、うーん、「この相手」には、やっぱりかなわないのかな。 
 『Dinosaur vs. Bedtime (A Dinosaur vs. Book)』は、わが子をみつめる作者の思いが120%伝わってくる絵本です。小さな子どもと触れあう大人なら、身近な生活感に共感の嵐でしょう。ところどころに用いられた実写コラージュがとてもキュート。きょうりゅうくんの無邪気さといっしょに、はじけています。(表紙の歯ブラシも実写だったらよかったのにな、なんて。)
 落ち葉のカラフルな色合いが、空気の澄み切った今頃の季節にお似合い。魅力いっぱいのキャラクターからしてシリーズ化されそうな予感もしますが、本作品がとってもよくまとまっているので、こちら1冊にとどめておいたほうがよさそうかな。何はともあれ、おすすめです。 (asukab)
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Dinosaur vs. Bedtime (A Dinosaur vs. Book)

Dinosaur vs. Bedtime (A Dinosaur vs. Book)