The Pet Dragon: A Story about Adventure, Friendship, and Chinese Characters 漢字を紹介するゆかいな冒険絵本

 ドラゴン、老婆、万里の長城――主人公の女の子リンがまるでムーラン*1のような衣装を身に着けているかと思いきや、時代設定は実は現代。中国を訪れ「漢字」に魅せられた作者が、近代化の波が押し寄せる北京を舞台に「漢字」の紹介と冒険をドッキングさせたユニークな絵本『The Pet Dragon: A Story about Adventure, Friendship, and Chinese Characters』を生み出しました。
 紹介される漢字は「人小木林森牛羊犬虫中女士目耳囚父口言門工山長巫川上下水豆吃大天朋共」の33字。あくまでも作者の直感で象形文字がイラストに取り入れられているので、漢字文化の中で育ったものとしてはかえってその視点が新鮮に映ります。背広を着た父親と伝統的な衣装を身に着けたリンが、古いものと新しいものの混在する中国を等身大に表現しているようにも思われました。
 漢字に遊ぶなら、この絵本でしょうか。コンピュータ・グラフィックス*2が、小気味よく漢字の魅力を描き出します。「吃」が食べる意味とはまったく知らず、勉強にもなりました。
 眺めるだけで楽しめますが、子どもには「ドラゴン」の存在も気になるところでしょう。(asukab)
amazon:Christoph Niemann

The Pet Dragon: A Story about Adventure, Friendship, and Chinese Characters

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