Twelve Terrible Things 個人的スキーマによる絵本

 12のおぞましいできごとが紹介される絵本『Twelve Terrible Things』は、個人的なスキーマによりさまざまな反応を生む作品だ。アイスクリームをぼとんと落とした瞬間、歯医者さんがピカピカのかぎ針を携えこちらの顔をのぞきこむ光景……など、娘は幸か不幸かこのような実体験に乏しいため、何も感じていないようだった。金魚がトイレに流されていく場面が「一番悲しかった」そう。
 12のブラック・ユーモアにどれだけはまるかで、アメリカ文化浸透度が計れるかもしれないな。まわりの人々が自分をのぞき込む構図で描かれたイラストが、印象に残ると言えば残る。緻密な水彩はところどころ、ウィーズナーのようにも見えた。でも、きっと、それだけの絵本。受ける人とそうでない人を二分するだろう。(asukab)
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Twelve Terrible Things

Twelve Terrible Things