The 3 Bears and Goldilocks リアルなくまさん一家

 おとぎ話絵本と題してしまったけれど、『The 3 Bears and Goldilocks』に出てくる金髪の女の子、くまさん一家はみな、現実の世界で生きているようなキャラクターとして描かれる。
 お父さんから「危ない冒険はしないでね」と注意されても、耳にした次の瞬間にすでに冒険に臨んでいるゴールディロックスの姿は子どもの本能そのものを示す。小枝やわらで囲んだ小屋にはくまの毛や魚の骨があちこちに散在し、虫や木の皮、魚のうろこの入ったおかゆはまさにその生息を想像させるには十分な背景だ。松の葉、あひるの羽が敷き詰められただけのベッドも、野生の世界そのものではないか。
 おまけにイラストも、動物の毛や石、植物などの実写をコラージュにしたものだから、リアル感に迫力が加わり、大きなくまたちが怖く見えたりもする。まあ、もちろん設定がおとぎ話なので、なんとも不思議な読後感が残るわけだけれども。
 おとぎの国から手招きをして、現実を見せてくれた主人公たちに拍手。(asukab)
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The 3 Bears and Goldilocks

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