ヘンリー・ブラウンの誕生日
『Henry's Freedom Box』*1の邦訳『ヘンリー・ブラウンの誕生日』(鈴木出版)が12月10日に発売されました。自らを木箱に詰めて奴隷制度の南部から逃亡を試みた実話は、日本でも多くの読者の胸に迫ることでしょう。もちろん人間の尊厳について考えさせられるのですが、そこには過去の重さをしたたかに包み込むユーモラスな明るさも混じり、読後は明日に向かう力強さに励まされます。
ヘンリー・ブラウンの存在をきっかけに、奴隷たちの生きた時代を教科書だけのできごとでなく、肌なり匂いなり体のどこかで感じてもらえたら……と在米者として願います。黒人史を伝える絵本は数多く出版されているので、これからもどんどん紹介されますように。
(鈴木出版、永吉さま)発売日にご紹介いたしますと明言したにもかかわらず、一週間遅れになってしまい心からお詫び申し上げます。
本日、約2週間ぶりに家の電話とインターネットがつながり、息子が「アーミッシュの生活」と形容した昔の生活スタイルから現代に戻ってきました。積雪に見舞われたりで近場のホットスポットに出かけることもままならず、手違い*2による電話不通のショックを通り過ぎてからは、のんびりと情報網から隔絶された静かな暮らしを送りました。
インターネットを除けば、もともと情報はラジオ(ときどき新聞)から得るだけだったので、今回の孤立では朝から晩まで一家全員がラジオの友。時間や情報とのかかわりについて熟考するよい機会になったと思います。
良書と出会う機会の多いクリスマス期なのでもちろん毎日、ブログを記したい気持ちに推されました。でも、これも振り返ればひと冬の思い出となるのでしょう。
amazon:Ellen Levine
amazon:Kadir Nelson
- 作者: エレンレヴァイン,カディールネルソン,Ellen Levine,Kadir Nelson,千葉茂樹
- 出版社/メーカー: 鈴木出版
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: ハードカバー
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (5件) を見る