ひみつのかいだん

 昨日*1に続き、絵本シリーズ「のばらの村のものがたり」(全8巻)から、その5となる『ひみつのかいだん (のばらの村のものがたり (5))』をご紹介。
 本書では、冬至まつりの準備に忙しいだんしゃく家の樫の木館を舞台に、屋根裏部屋で見つけた秘密の階段を探検する末娘プリムローズと親友ウィルフレッドの活躍が描かれます。当日の余興で詩の暗唱をすることになっている2匹は、練習に余念がありません。衣装も必要なので家の中で探していると偶然、秘密の階段にお目にかかったのでした……。
 背景は冬至ですが、クリスマス直前と言うことで、気分はクリスマスに重なります。そこに「秘密の階段」ですから、ドキドキ、ワクワクする気持ちは、さらに高まるのでした。
 階段とつながるお屋敷の全横断図を描いたページは、まさに夢物語。豪華な英国風のお屋敷は、目にするだけですてきな贈り物になりそうなほど、ため息ものでした。
 さて、プリムローズとウィルフレッドの詩の暗唱はどうなることでしょう。

冬至
昼は短く 夜は寒く
寒さはきびしく この年もおわりにちかい
日ざしはよわく 風ははげしく
雪はふかく 空は暗い
そのときこそ ひげをみがき 家をきれいにかたづけ
いちばん美しく はなやかな服を着るとき……

 喜びを心待ちにするアドベント期にぴったりの絵本です。(asukab)
amazon:Jill Barklem

ひみつのかいだん (のばらの村のものがたり (5))

ひみつのかいだん (のばらの村のものがたり (5))

  • 書影は復刊版の表紙と少々異なります

 ……と絵本の感想を記し終え、中東和平について黙考。ガザ地区で現在起きていることは、永遠に終結しないのだろうと悲観しながら。悲しいかな、人間である限り終わらない。