Dog Day これまた、犬好きさんに贈る絵本

 表紙に描かれた半分のお顔が誘ってくれます。『Dog Day』は、ある日、学校に行ってみたら、新しい先生が「犬」だったというお話。先生の名前は、リフ。リフ先生の"Woof! Woof!"に始まって、子どもたちはみんなでしっぽ(人間なので、おしり)を振ったり、体をかいたり。犬のしぐさや行動をまねして、一日が、愉快に過ぎていきます。こうやって眺めてみると、犬の行動は、穴を掘ったり、追いかけたりで、子どもの遊びと重なる部分が多く、どうりで楽しいはずです。だから、みんな犬が大好きなのですね。
 犬から受ける元気で明るい性格のイメージは、今でも息子のイメージと重なります。「戌年」ということもあるでしょうけれど。
 おしまいに登場する校長先生のミセス・ピンクがすてきでした。ピンクの半袖カーディガンとエレガントな花柄フラットシューズで色を合わせたところに、ボトムスはグレンチェック風の渋いグレーパンツ。ベリーショートの髪型に、ダークグリーンのネックレスとブレスレットでアクセントを効かせ、気品たっぷりでとてもお洒落なのです。自分の抱く絵本の中の校長先生像とだいぶ離れていて、新鮮な驚きに満たされました。お洒落といえば、登場する子どもたちもみんな、とってもいかしています。タータンチェックやデニム地など、実写コラージュを使用した子ども服の配色が、洗練されたイメージとして映るのでしょう。ペン画のイラスト自体、都会的な雰囲気をかもしていることも理由でしょうか――。なんだか絵本のご紹介というよりも、服飾の話になってしまいました。
 もちろん、人気者のリフ先生は、どのページでも犬のまま。擬人化されていない分、日常性が強く感じられ、子どもにますます近寄ってきます。大人は読了後、子どもとワンちゃんの存在*1が、さらに愛しく感じられることでしょう。
 子どもが大喜びしそうな絵本は、最後のページもウィットに富んでいてかわいい終り方でした。英国の絵本。
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Dog Day

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