ブログをやっていて良かったこと

 絵本手帖を開設した目的はただひとつ――子どもと読んだ絵本の記録、でした。でも、続けているうちに、英米の多様な子ども文化<絵本>について書くことが、家族や自分を見つめる大切な日課になりつつあることが自覚でき、今は一日一冊、書くことで自己投影を確かめています。
 自分の文章を読むと、そのときの心象風景が浮かび上がり、自己浄化にもつながります。ヨガで自分の体を知るように、ブログの場合は執筆しながら心境を知ることで静かなバランス感覚が得られるというのでしょうか。この心地よさは一度味わってしまうと、もう一生手放せません。「ブログをやっていて良かったこと」の筆頭は、この心の平安になるのでしょう。まっしろなコットン・ペーパーに水彩絵の具をにじませるように、これからも日々の記録を描いていけたらと願います。
 こうして振り返ってみると、ブログの一番の特徴である「つながる」ことをあまり意識しない自分が存在します。でも、100%そうでもありません。気持ちを共有できる人々と、ささやかな交流を続けること――。適温と空間が整った環境下で、言葉を交わす楽しさもまた格別です。