The Snow Day ゆきがやんだら

 クリスマスの頃に読んでいた『The Snow Day』。原書は『ゆきがやんだら (学研おはなし絵本)』で、今から約3年前に出版されている。
 雪の降る一日の描写は、静かで美しい。それゆえ英訳されたわけだけれど、わたしには孤独感の描かれた絵本という印象が強かった。ウサギぼうやの冬空を見上げる姿からして、何かもの悲しくて。雪が降り、お母さんといっしょに過ごす時間はあたたかい。でも、出張で家を留守にしているお父さんがいたら、きっともっと楽しかったはず。そんな状況にうっすらと降り積もる雪の光景が重なり、さびしさに輪をかけて雪の冷たさが伝わってきた。
 冬の情感が豊かに描かれているだけに、個人的に入り込む隙間のない閉塞感に襲われた。家族の姿が、コンクリートの無機質な表情に囲まれていることが理由か。ウサギの擬人化も、イヌやクマとは違う、サビシイ・モードを淡く放っていると思う。
amazon:Komako Sakai

The Snow Day

The Snow Day