In the Town All Year' Round 子どもとの対話にぴったり!

 むちゃくちゃ楽しい絵本に出会った。ちょうど探していたのだ、たくさんの人々がそれぞれに悲喜こもごもの暮らしを送る、『In the Town All Year 'Round』のような絵本。どこで、誰が、何をしているか――絵を見ながらの対話にぴったりだ。探しものゲームもできるし、気持ちの質問もできる。
 季節の中で移ろう町を活写する見開きは、全部で7シーン。春夏秋冬で表情が変わり、2シーズンを見終わる頃には、見慣れた町民の姿がおなじみになったりも。各季節の冒頭に、「アンドレアは、おさんぽしています」「このバナナのかわをすてたのは、だれ?」などの人物探しや質問ゲームの覚え書きがあり、コミュニケーション・キャッチボールの準備は万端。すぐに遊べて、至れり尽くせりの親切な絵本である。
 原書のドイツ版は2003年初版で、各四季ごとに分冊だった。印象としては、全部がいっしょになった英語版のほうが豪華かな。背は、くすんだ朱色の布装丁である。かなりの大判で、サイズは34センチ×27センチ。イラストは、ちょっとタンタンみたいな風でもあり、親しみやすくてカワイイ。
 小学校での個人指導で、この種の絵本が一冊必要だとずっと感じていた。町にドラマが繰り広げられているので、単に幼児向けの絵本と言えないところがいい。大人も子どももいっしょに、この町――何町って言うのかなあ、ヒイラギ町のホガラカ横丁みたいな――が楽しめる。
 欲しいときに偶然出会えた運命に感謝しながら、さっそく1ページごと、にんまりと、四季の中で移ろう町の表情を追ってみた。日本だったらさしずめ春から始まりそうだけど、こちらは冬から始まっている。
amazon:Rotraut Susanne Berner

  • 英語版は4冊全部いっしょ

In the Town All Year 'Round

In the Town All Year 'Round

 邦訳は大きなサイズとミニサイズが、それぞれ分冊で出ている模様。新聞を広げるように、大きなページに面と向かうのが醍醐味なので、個人的にサイズは大判がおすすめ。
 タイトルは……:

 大判書影が4冊揃っていなかったので、こちらはミニ版の書影

さがしてあそぼう春ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

さがしてあそぼう春ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

さがしてあそぼう夏ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

さがしてあそぼう夏ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

さがしてあそぼう秋ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

さがしてあそぼう秋ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

さがしてあそぼう冬ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

さがしてあそぼう冬ものがたり (ミニ版ものがたりさがし絵本)

  • 作者: ロートラウト・スザンネベルナー,Rotraut Susanne Berner
  • 出版社/メーカー: ひくまの出版
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本
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