All in a Day 自然をたたえる詩の絵本

 自然や季節をたたえる詩は、数多くある。自然詠は基本中の基本テーマなので視点の瑞々しさが多々問われる中、『All in a Day』に強く惹かれた理由は、題材が当地の自然だったからだろうか。知らず知らずのうちに見入り、読み入り、太陽の温もりや土の湿りぐあい、森の匂いを確認していた。
 切り絵によるイラストは、優しいたまご色と空色が交互に現れる趣向。これにより、木々の煌きと澄んだ空気が巧く表現されている。作者はオレゴン州ポートランド市、切り絵画家はワシントン州オリンピア市在住で、まさにノースウェストコンビが贈る、当地の自然賛歌だった。春から初夏にかけて読むのがぴったりだ。
 ちょうど今日、アラスカ州から引っ越してきたという小2の男の子が作文を読んでくれた。ノンフィクション本仕立てになっていて、アラスカで住んでいた家、ツリーハウスのある庭やまわりに自然のようすを、章ごとに区切って紹介している。親が読んだら感涙におぼれそうなくらいうれしい文章だ。帰宅して、この詩の絵本を読み、手作りアラスカ本のことを思い出した。
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All in a Day

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