ほんとうは本の虫:英国の10代は何よりも読書好き 

http://news.sky.com/skynews/Home/UK-News/Sky-Arts-The-Book-Show-Survey-Teenagers-Would-Rather-Read-Book-Than-Use-Websites/Article/200903115234712?lpos=UK_News_First_Home_Article_Teaser_Region_1&lid=ARTICLE_15234712_Sky_Arts_The_Book_Show_Survey:_Teenagers_
 'School Library Journal Teens'で紹介されていた記事。英国の16歳以下のティーンエイジャーは、約半分近くがSNSやネット利用の友人間コミュニケーションより読書を好んでいるというのだ。今のこの時代に、何と言う羨ましい実態だろう。
 ほかにも全年齢層にわたり、文学を渇望している傾向だそうで、はあ……やはりシェイクスピアの国だから……とか、さまざまな答えを思い描いてみた。さらには、国民の56%が将来に作品執筆を夢見ており、10人に1人はすでに夢を実現しているとのこと。この「読むこと」「書くこと」を含む文学への愛着、情熱は、一体どこから生まれてくるのか。ブック・ショーによる調査なので、対象が読書家に偏ったことはあるかもしれないが。
 同じ英語圏なのに、商業主義で腐敗する米国との差が非常に興味深い。「読書は、もっとも簡単で、安上がりな快楽」のひとことを、米国人はどう捉えるのか。まあ、自分を含めた移民層が多いことを差し引いても、言葉、言語への文化的関わり方が根本的に異なる現実が如実に証明されたことになるだろう。
 テレビの繁栄が頂点に達して以来、米国では高校生の語彙力が十年ごとに千語ずつ減ってきている、と児童書店の店長さんが教えてくれたっけ。少し前まではテレビ文化、今はインターネット文化の影響で、言葉はどのような変化を遂げるのか。文化の流動性をそのまま受け入れる姿勢も理解できるけれど、人間の根幹に関わる部分を変えてしまったら終末だとも危惧している。 
 日本は、どうなの。詩歌など素晴らしい文化が残されているのに、言葉への意識は……。