皇帝にもらった花のたね

 原書の"The Empty Pot"は、息子のお気に入りでした。
 ピングは、植木育ての大好きな男の子。ある日、皇帝が「もっともきれいに花を咲かせた者を国の後継者にしたい」と、おふれを出しました。ピングも種をもらい、花を咲かせようと熱心に世話を始めました。ところが、もらった種は芽も出しません。ピングは、胸を痛めました……。
 一種の道徳を説く絵本で、息子は子ども心にも読むたびに、帰結のなりゆきに深く感動していたようです。わたしも、まっすぐできれいな心を持ち続けたいと、読後はいつも思ったものでした。よって、その日本語版『皇帝にもらった花のたね』も、わたしたちが魅せられたのと同様に、日本の子どもたちをとりこにすることでしょう。ピングの行いに、読者はみな心打たれるはずです。
 デミは当州在住の地元作家です。伝記や民話、ノンフィクションものを独特のアジア風イラストで描き、息子といっしょに一時期夢中になったことがありました。たくさん絵本を出しているので、これから少しずつ日本に紹介されていくのでしょうね。
Happy Chinese Lunar New Year! 恭喜發財! - 絵本手帖
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皇帝にもらった花のたね

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