絵本朗読サイト Storyline Online

 絵本手帖にも以前リンクを張っていた絵本朗読サイトStoryline Onlineについて。書こう書こうと思っていながら興味が薄れていたところ、本日偶然いただいたメールから思い出させてもらったので記しておこうと思った。
 これは、公立校が子どもたちに奨励している優良サイトのひとつ。米国の主役級、脇役級ら有名俳優たちが絵本を一冊ずつ、こちらに向かって話しかけるように朗読してくれる。初めて知ったときは、スクリーンを目の前に他人に絵本を読んでもらうような受身的なプログラムのどこがそんなに魅力的なのだろう……と否定的な感想を抱いた。でも主人に言わせると、「人気俳優たちによる巧みな朗読に触れ、子どもたちにもことばの表現力を身に付けて欲しい」とのことだった。そう言われてみれば、俳優業とは「ことばのプロ」の同意語でもあるわけで――。朗読には喜怒哀楽が込められ、間が空いたり、声の調子が変わったり、別に教育目的でなくても見ていてそのうち引き込まれているのは確か。「特に移民層の子どもたちは、こういった生きた英語の表現力に毎日触れることがだいじ」と彼は言っていた。
 運営は、非営利団体の米国俳優組合が行っている。「大草原の小さな家」のローラ役、メリッサ・ギルバートがサイト主宰者だった記憶があるのだけど。このときはお母さんになった彼女の姿を見て、懐かしいやら、嬉しいやら、「へえ〜」と感動しながら朗読に聞き入った。確か、パトリシア・ポラッコの絵本だったかな。
 かくして思ったことは、日本でも俳優さんたちによる同様のサイト運営ができないものか……ということ。セレブリティーには、富に支えられた華やかな世界に浸りきるだけでなく、支えてもらっているからこそ社会貢献する義務も同時に付きまとっているわけで。個人的に絵本朗読活動をされている方々も存在するけれど、みんながボランティアでこういった運動を起こすことも意義深いのではないかと感じた。
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