Our Corner Grocery Store お店屋さんごっこがしたくなる

 お気に入り絵本の分類を考えてみた。(フィクションに限る)

  1. 圧倒的な絵の力がみなぎる絵本、アートが独特の世界を構築する絵本……「絵」に魅せられる絵本
  2. 深く静かなマジカルワールドに誘われる絵本……「ことば」と「お話」に魅力の秘密が宿る絵本
  3. 絵本といっしょにすぐ遊べる絵本……「お料理」だったり、「手作り」だったり、「ゲーム」だったり。
  4. 日常が何気なく描かれ幼少時の思い出や郷愁を誘う絵本……日々の「暮らし」を背景に心を揺さぶる絵本

 "Our Corner Grocery Store"は、わたしのお気に入り分類にかけると、3番目と4番目の魅力を放つ。イタリア系移民の祖父母が営む食料品店でお手伝いをする女の子、アナ・マリアの一日を描くだけの絵本。でもここにはご近所の人々の活気、新鮮な食べ物の匂い、お菓子に胸を弾ませる子どもたちの姿が丁寧に描かれ、子どもの頃の玉手箱をそっと開いたような時間が流れている。
 読んでいて一番に思ったことは、お店屋さんごっこがしたい! 野菜や果物など、たとえば折り紙で作って、お金の勘定を習い始めたばかりの幼稚園生に売りたいなあ、と。自分の毎日をふりかえってみても、マーケットには喜びがつまっている。高級品の買い物は苦手だが、日常を作る、日々の糧を支える買い物は、素直に楽しい。
 おばあちゃんがマッシュルームのファルシー(詰め物)の作り方を教えてくれ、このページではおなかなぐるぐる鳴り出しそうだった。イラストがあたたかくて、いいな。カナダの絵本。
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Our Corner Grocery Store

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