Read It, Don't Eat It! ライブラリアンが大喜びの絵本

　イラストも言葉も、かわいいし、はずんでいるし、最高！　韻を踏みながら、小さな子どもたちに本の扱い方を諭す絵本"Read It, Don't Eat It!"は、本好きさんには胸キュンの絵本だと思う。
　左ページに堂々と、一文ずつ本の取り扱い方が記され、右ページには可愛らしい動物の子どもたちの姿で呼応のイラスト説明がつく。これ、やっぱり英語だからお茶目に聴こえるのかな。
　最初の見開きが'よみましょう、たべてはいけません。Read it, don't eat it.'のメッセージで始まり、'おりこまないでね。No dog-ears, please.'……ここではイヌくんが、読んでいる本のページ端を折ってしまっている。これを英語ではdog-earsと言うのですね、折り紙みたいでかわいいな。'くしゃみはしません。Find someplace else to sneeze.'……では、巨体のゾウくんが開いた本を口に当てたまま、おおきなくしゃみ。これは、たまらない！　この後、'かりましょう、だまってもっていかないでね。Borrow, don't steal.'と続き、「盗む」の表現に驚いたけれど、確かに小さな子どもだったらわけも分からず持ち出してしまうかもしれないから、これは大切な一言である。全部読み終える頃には、本を大切にしたい気持ちが満ち溢れてくるなあ。自分の日本語だと「詩」になっている英文の妙味が伝わらないので、これは原文で味わうのがよさそう。
　図書館に親しもうとする小さな子どもたちにうってつけ。本のマナーを忘れてしまったお兄ちゃんやお姉ちゃんたちにもご愛嬌で公共のルールを示せるし、頼りになる一冊だ。きょろりとした愛くるしい目の動物たちに加え、白抜き文字の背景を飾るカラフルな色使いも魅力的である。
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