幼稚園ライターズ・ワークショップ考察

 Lingrのサービスが終了したようなので、おしゃべり絵本手帖タグを徒然代わりに。
 幼稚園のライターズ・ワークショップを覗き、子どもたちの作文の質、量の変化に感嘆した。明らかに過去と違う。というか、比較的お行儀のいいクラス運営が可能となった今年のクラスだからの結果なのだろうか。ともかく、筆跡がしっかりしているし、内容も言いたいことを伝え、伴っている。落書きのような従来のイメージが、一気に覆された感じだ。担任に尋ねたら、やはりこのライティング・プログラムが精鋭とのこと。以下、違いを書き留めてみた。

  • 従来は音を知るまで作文はさせなかったが、このプログラムでは音(フォニックス修得)を待たずにフォネミック・アウェアネスの段階ですでに書くことを始める。
  • 身近な話題を絵を描いてラベリングさせるところから、文字への意識が自然と芽生える。
  • 音への関心と、書くことの関心の相互作用で、文字、言葉、文への発展がスムーズに行われる。
  • 以上を、生活のお話・絵、詩、図、物知り本のテーマで繰り返すうちに、ぐんぐん文章が書けるようになってくる。

 近隣の小学校を回っている代替の先生も、うちの小学校のプログラムが一番強力だと言っていた。
 来年度からは、リーディングでも同プログラムを採用するとのこと。原稿のリーディング・ワークショップは幼稚園では少々きつかったようだ。来年が楽しみ。きっと、大きな収穫を得るんだろう。
 家で何も教育が行われていない子どもたち、移民家庭の子どもたちの救世主的存在となるプログラムだ。オーソドックスなライティング・プログラムで効果が現れないようなら、試してみるといい。基礎力を付けるには、効き目抜群だと思う。もちろん私学で行われているような高度な作文とは縁がないけれど。