The Dunderheads 生え抜きの10人が大活躍!

 娘に薦められた"The Dunderheads"が、すごく面白かった。作者が作者ということもあり、納得の構成と展開。
 権威を振りかざす担任教師ミス・ブレイクボーン――そのまま「骨砕(ホネクダキ)先生」の訳がぴったりの強烈な風貌――に立ち向かう個性的な10人組のお話。中学年くらいの子どもたちが大喜びしそうな設定である。
 ガラクタ集めの好きなジャンクヤードが、猫好きな母親のためにゴミ箱から置き物のネコを拾った。ところが、ミス・ブレイクボーンがさっそく取り上げてしまい、このままでは日曜日のお誕生日に間に合わない。困ったジャンクヤードは頭脳明晰のアインシュタインハカセ)に助けを求めた。物語はアインシュタインの語りでつづられ、この後、適材適所でユニークなキャラクターたちの活躍が描かれる。ウィールズ(クルマ)、ペンシル(エンピツ)、スパイダー(クモ)、ハリウッド(エイガ)、スピットボール(トバシヤ)、クリップス(ツナギヤ)、ネイルズ(ツメ)、グーグル・アイズ(サイミン)……カッコ内は適当に日本語でイメージを加えてみたのだけれど、それぞれのニックネームを列挙するだけで、置き物のネコを取り戻そうとミス・ブレイクボーンのお屋敷に忍び込むスリルが味わえるというもの。調子良すぎるところも痛快だ。こういう絵本を読んで笑う夏休みって、いいなあ。
 子ども一人一人の個性を讃歌する、小学生向きの絵本。
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The Dunderheads

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