City I Love 都会の風に吹かれてみれば……

 都会に住むか、田舎に住むか。老後のことを考えて、あれこれ想いを巡らせる今日この頃。子ども時代は絶対に、田舎の風と光が必要だ。子育てを終える老後はどうか。何だかわたしには、都会の風が必要みたい。いやいや、ここで言う「都会」とは「大都会」のことではなくて、田舎から見た都会、つまり新しいものと古いものが適度に混ざり合う、米国で言えば地方都市ぐらいの街になる。……と考えると、シアトルは最適。日本だったら、京都がいいなあ、絶対に。
 都会好きの人が読めば、頷きの連続。そんな詩集が"City I Love"。わたしには懐かしさというより、映画の中を覗くようなイメージの世界が続く。都会の生活に、憧憬のような感情は特に存在しない。ただ、社会の根底をさぐるとき、必ず出発点は必ずここにあるので、常に身近な存在にしておきたい。
 都会の風にいつも吹かれていたい感情はないけれど、忘れてはいけない風――。それだけは、確か。
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City I Love

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