聖ニコラス日を前に

この国は“無駄”で食っている - Chikirinの日記 この国は“無駄”で食っている - Chikirinの日記

 ここまで豊かさが普通になってしまうと誰も自己犠牲を払いたくない。暗黙了解の傲慢がまかり通っているのが今の米国の姿――。イエスが生きたように、社会的弱者とともに歩むことをうたいながら、ではなぜ高級車を乗り回し、海外休暇を楽しみ、無駄にお金をつぎ込むのか。富と名声は一度得てしまうと手放せなくなり、心の皮下脂肪をどんどん分厚くさせて無感覚を助長させる。世界平和と貧困撲滅を願うのなら、慎ましく小さく生きることが一番の近道――とは家人が教えてくれた。エゴが敵。どこまでセルフレスになれるか。賢い人々であれば、すでに無言で行っていることだろう。誰にも話す必要はないし、そうやって生きていくのだ。
 "EAT, SLEEP, READ"――娘がブックレポート用のペーパーバックを購入した際、本屋さんの袋に3行でこう書かれていた。家でささやかな食事を楽しみ、十分な休息を取り、好きな本を開く。わたしの場合、絵本なのだけれど。残りの人生、こういう余暇が送れたら、それで十分。他に何が必要だと言うのだろう。
 明日は聖ニコラス日。教会で午前中、聖ニコラスを模ったスパイスクッキーを100枚焼いた。もう師走なのである。