絵本の切り口の違い

Amazon.co.jp: ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)のNorthstarさんのレビュー Amazon.co.jp: ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)のNorthstarさんのレビュー
 子どもたちが小さな頃、こちらの育児月刊誌でたくさん学ばせてもらった。そのうちのひとつが「絵本」のあり方について。乳幼児時代から幼児期まで、子どもの成長にともないどのような特徴が絵本の構成に見られるかなど、子どもの側から絵本を見る視点を教えてもらったと思う。基本的なことには:

  • 子どもを脅さないこと
  • 身体的な不快を与えないこと
  • 子どもの生活に安全であること

……などがあった。
 というわけでこの視点で見ると、日本の絵本の中には米国の絵本理念に反するものが結構多くて当時、たびたび困惑させられた。ここで話題になっている『ねないこだれだ (いやだいやだの絵本)』は、最初にぴんときた。でもその後、たとえば民族風習に現れる「ナマハゲ」など、昔は子どもが悪さをしないように「怖い存在」を与えて社会的公正を示していたのだと解釈し直したりする。しかしながら、トラウマになる可能性も考えると、「脅し」はやはり負のイメージ。その後の人生のフォローが正負を分けるのかもしれないが。
 あとは、おしっこがもれちゃうという絵本、『もっちゃうもっちゃうもうもっちゃう』も。読んだことはないのだけれど、タイトルを見て即座に疑問を抱いた。身体的不快。『ぶらぶらばあさん (おひさまのほん)』は一目で生理的不快。これはわたし個人の大人の視点になるけれど。
 清教徒の国、米国に住んでいることを理由にしたくないのだが、文化的な視点の違いがいろいろ見えることは確か。