絵本でライティング指導

 リーディングのほうは四苦八苦しながらもデイリー5*1に則ってワークショップを実践しているのだが、壁を感じるのはライティングのほう。というわけで"Using Picture Books to Teach Writing With the Traits"を購入してみた。筆者はモンタナ州最優秀教師賞を受賞し、その実践法から「トレイト・レディ」として知られる元中学校教師。文章を書くときに必ず特色(トレイト)となる項目をアイデア、文章の流れ、構成、言葉の選択、意見、句読点法、体裁・表現として挙げ、絵本を通して各特色のスキルを身に付けるレッスンを展開する。
 小学3年生以上とはあったけれど、やはり内容は高学年から中学生向きだった。でも、取り上げられている200冊以上の絵本群がおもしろい。というのは、コルデコット賞受賞作品など著名な絵本は皆無で、ごく普通の、本書で紹介されなければ図書館だけでお目にかかれるようなタイトルばかりなのだ。絵本の収集は生徒たちといっしょに行ったそう。生徒にしてみたら教師の視点で絵本の仕分けをしたわけで、この作業を通してかなりの学習を効果を上げたことだろう。
 絵本を使った最初の授業で中学生たちはみな「絵本なんて、赤ちゃんの本〜」と反応したと言う。でも、作文の特色探しで本文を扱い始めると真剣になり、文章力がぐんぐん伸びていった。普通の教師にしてみたら、夢物語。でもそんな可能性が絵本に秘められていることを思うと、わたしのハートもぽっぽっと熱くなってくる。
 モンタナ州は当州と同様、ノースウェストに区分けされる。というわけで、ここでもまた、地元にすばらしい教師が存在するにもかかわらず、うちの学校区は無駄なことをしていると思い知らされた。
amazon:Ruth Culham

Using Picture Books to Teach Writing With the Traits

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