The Curious Garden 無機質な都会に広がる緑の楽園

 植物や木、森に関わる絵本は、どんなテイストのイラストでも好き。"The Curious Garden"も発想がすてきで、冒頭の設定に魅せられた。
 舞台は架空の街だけれど、ヒントは作者の住むニューヨークから得たという。人々は家の中にこもりっきりで、街の様相に見向きもしなかった。でも、そこに外遊び大好きの男の子リアムが登場し、好奇心に委ねるまま廃墟となった鉄道施設に庭を造り始める。植物は廃車や廃屋など思いも寄らないところに居場所を見つけ、ぐんぐん根を伸ばしていった。
 線路に沿って緑の広がっていく構図がすてきだった。緑の力って、ほんとうに奥深い。この生命力にどれほど慰められ、癒され、生かされていることだろう。
 昔は「水」のイメージに引かれ「魚」とか「雫」の形を好んでいたが、最近は断然「木」「鳥」のイメージ。もちろん水と木はつながっているので両者とも、わたしには必要なわけなのだけれど。昨日、主人への贈り物を探していた際、選んだのは「鳥」の形だった。ノア・ベルと呼ばれる大玉ビーズ飾りの付いたインド製の鐘。教室の片隅に飾ってもらえたらいいな、と。
 緑、緑、緑――、ここかしこにグリーンパワーを広げていきたい。
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The Curious Garden

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