A book of Sleep ぐーぐーぐー―みんなおやすみ

 読んだのは邦訳『ぐーぐーぐー―みんなおやすみ』ではなくて、原書(米版)"A Book of Sleep"のほう。みんな眠っているのに、ふくろうはおめめがパチリ。当たり前なのだけど。
 ふくろうの見守る中、安らかに眠る動物たちを見ていると、いつの間にかこちらもうとうとしてしまう。立ったまま、目を開いたまま、仲間と群れたまま――睡眠の形態はさまざまでも、みんなこうして翌日のエネルギーを養っている。さて、朝が来ると……。
 イラストが抜群にいい。動物たちの体や背景に描かれる、花模様、唐草模様のあしらい方が芸術的だ。まず、繊細な描線とエレガントな植物系の模様が上品に調和している。壁紙や布のテキスタイルなのだろうか。この様式は、かなり魅力的。加えて、うっすらと斑を残した着色が様々な重ねの色合いを生み出し、洗練されたアート感性を際立たせる。透きとおるようにきれいで、同時に素朴なぬくもりも携えている、そんな感じ。構成も大胆。うむむ、もっともっと、この画家の絵が見たい。
 赤ちゃん用にボード絵本が出ていて感動。小さな頃からぴか一の芸術に触れる幸せの極みかな。
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A Book of Sleep

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