Old Penn Station NY ペンシルべニア駅の歴史

 ニューヨークに行ったことはないけれど"Old Penn Station"を読み、飴色の灯が照らす華やかな時代のペンシルベニア駅を想像してみた。
 1910年、時代の興盛に乗りペンシルべニア鉄道会社はハドソン川の下にトンネルを掘り、同駅をオープンさせた。それまでニュージャージー−マンハッタン間はフェリーによる移動だったというから、街の原動力を変えてしまうほどの変化だったと察してみる。
 50年代に入り総自動車社会を迎えると、鉄道の役割は終焉に向かう。1966年に解体工事が始まった後、歴史的建造物として残したい市民の声が挙がり、現在に至る形で残されることになった。
 わかりやすく丹念に駅の歴史を紹介する絵本は、質感のある重厚な絵が魅力である。ページを開くとあっという間に当時のニューヨークに佇んでいるような気持ちになった。
 作者はシラキュース大学で修士号取得の際に、テーマとしてペンシルべニア駅の歴史を選んだ。米国には卒業作品としてすばらしい絵本を制作する新人画家が多いのだけれど、日本の美大でもそんな活動が可能なのかな。可能であればぜひノンフィクション絵本に挑戦して欲しいと思った。
amazon:William Low

Old Penn Station

Old Penn Station