電子書籍について――子どもの本の電子版

アゴラ : 電子書籍の問題は「普及するかどうか」ではなく「いつ普及するか」 アゴラ : 電子書籍の問題は「普及するかどうか」ではなく「いつ普及するか」
 電子書籍時代到来。ただし、子どもの本(絵本)を除いては……と但し書きをつけていたのだけれど、タブレットが普及したら、絵本もこの中に入るのかなと、以前は抱かなかったイメージが浮かんできた。特にこの一文から――「紙という植物にインクで情報を印刷し読み終わったら捨てるという環境に悪い行為や、蓄積して住居スペースを圧迫するような行為を伴う情報伝達の手段はいずれ姿を消す」。
 わかりきっていたことだけれども、あらためて読み返してみると、確かに。前者に関しては、人間の傲慢さをつきつける行為なのは明らかなのだが、子どもだから許されるかなみたいな甘えた気持ちでいた。でも、これは当然矛盾した発想だ。自然の大切さを伝える絵本だからこそ、電子書籍に方向転換するほうが、子どもにはずっと説得力がある。「ママ、森を大切にしようって言っているのに、どうして木を切った紙で本を作るの?」。
 では、数日前に自分が書いた紙の絵本が与える「時間」については、どうなるというのだろう。(絵本のゆくえ - 絵本手帖)――時間が、傲慢の裏返しに思えてくる。間引き材で、どれだけ製紙が可能なのか。
 いずれにしても電子絵本は登場し、紙は残るにしても貴重品となり特権的な産物になると想像してみた。「はらぺこあおむし」や「スイミー」を、スクリーンの中で読む感じとは……。
 決断は、エコカーと同じかな。あなたはエコ本、始めますか。