Brand-New Baby Blues 一人っ子時代のおわり

 むかしむかし、わたしが一人っ子だった頃、すべてはわたしが中心で、わたしが太陽だった。でも、そこに赤ちゃんの弟がやって来て、わがままし放題が一夜にして厳禁になった。お兄ちゃん、お姉ちゃんになる経験は結果的に楽しいものでありながら、我慢や嫉妬はある程度必至。個人的にこの辛い部分は覚えていないのだけれど、息子が娘を迎えたときのことを振り返ると、こんな感じだったのかなとかすかな記憶がよみがえる。
 赤ちゃんといっしょの日々を語る"Brand-New Baby Blues"も、世界中のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちが体験する感情をありのままに描く。押韻のリズムが、明るく脱一人っ子時代を応援し、大らかに「ベイビー・ブルース」を謳いあげている。
 しかし、米国には、このテーマのファミリー絵本が多い。きりがない感もある中、本作の切り札は「韻」のリズムだろう。リズムの心地よさで、読者の気持ちを説く。
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Brand-New Baby Blues

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