Pink Me Up! ピンクはトクベツな色

 "Pink Me Up"を読んで、どうしてピンク色って、こうも特別な色なのか、ふたたび考えてしまった。米国の女の子文化を知る人であれば、たいていこのピンク人気を目の当たりにしているはずと言い切ってしまいたい。たとえば小さな女の子の場合なら、本人がそうでなくても、集団の中に何人か必ずピンク三昧に浸っている子に出会っているはずである。「お姫さまの色」とコマーシャリズム(ディズニー)に決め付けられているから? 50年代風のファッションから派生する甘いコットン・キャンディのイメージから? 女の子の赤ちゃんカラー、ベイビー・ピンクが発端? すでに女性の色はピンクということで、乳がん撲滅のシンボルリボンもピンク色である。ビクトリア朝の女の子の色は、何色だったのだろう。このピンク人気は、極めて現代的な印象が残るのだけれど。
 「きょうは ママとわたしの トクベツな日。きょうは ピンクのおんなのこ・ピンクニックの日」。今年で3回めという特別な日を心待ちにしていたウサギの女の子は、急きょ、お母さんが病気になったことでお父さんといっしょにピンクの日を過ごすことになる。最高の日から最悪の日に変わりそうな折、お父さんウサギが一肌脱いだ。シャツにピンクの水玉、ズボンにピンクのストライプを付け、ネクタイもピンク、上から下まで、ピンクだらけ! 一所懸命ピンクをまとって変身しようとするパパの姿が粋である。
 このピンクに対する熱い気持ちは、つまり今のワタシでないワタシ=プリンセスへの憧れという理解でよいのかな。作者はニューヨーク在住。ピンクへのはじけた傾倒は、都会的な発想か。
 ピンクがテーマの女の子絵本は、けっこうあるなあと振り返った。
Purplicious ピンクが大好きな女の子のお話 - 絵本手帖
Pink ピンク色の大好きな女の子へ - 絵本手帖
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Pink Me Up

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