インテルの「あなたを作家にするプロジェクト」

http://www.intel.co.jp/jp/tomorrow/index.htm#/index
 どんなものだろうと、とりあえず作家登録をしてみた。もちろん、「作家」という現実味の薄い夢は抱いていない。ところが数日続けてみて、ここで味わう縦書きの魅力に取り付かれ、実のところ少しばかり夢中になっている。コンピュータの買い替え以来、横書きしか利用していなかったこともあるだろう。
 登録カテゴリーはエッセイ。ということで長い作品ではないが、四季の移ろいをぽつぽつと思いのままに書き留める。自動保存機能が働いて便利な分、先の表現を参照したい際に不便なので、自分の英語ワードと併用した。気に入った段落をワードに残しておこうと思い、縦から横にコピーすると……「!」。見える風景がまったく違う。驚愕すること、しばし。縦で見えていたものが、横ではまったく見えてこないのだから。興味深い現象だと思い、もう一度該当のページに戻り見比べてみた。思っていた以上に、決定的な溝が存在すると感じた。
 縦横による行間風景の差異はよく耳にすることではあるけれど、実際自分が体感してみると、これがなかなか口ではうまく言い表せない。横になると、なぜか目がチカチカした。単なる縦から横への変化に伴う不慣れが原因か。いや、気持ちのありようにも違和感が生まれている。縦の方が自然だった。
 結論はつまり、詩歌だけではなかった。こうなると、ずっと縦書きから遠のいていた時間が非常に恨めしい。縦書きの醍醐味を堪能させていただいた同プロジェクトに深謝である。
 この機能が一般向けのブログサービスにならないものか。あるいは、はてなで縦書きブログを作成してもらえないか。などなど、作家プロジェクトを通じ、ウェブ上でも縦書きにこだわりたい一人になった。